小学校に向けて、幼児期のうちにやっておくべき習い事や準備が知りたい。
そんな疑問にお答えします。
- 公立小学校で10年間勤務した元教員
- 保護者と先生の支えになりたい
- 子ども大好き2児のパパ
- 先生と保護者の2視点で解説します
詳しくはプロフィールからどうぞ。
小学校の入学前にできることは色々あります。
「早くから習い事に通う」という家庭もありますが「手軽で家庭でも実践できる」内容を知りたい保護者も多いはず。
本記事では、家庭でも始めやすい遊びとしてオススメな「積み木」をテーマに解説します。
- 小学校入学前にやっておくといい活動
- 「積み木」で遊ぶメリットや学校との関係性
もちろん「習い事は辞めるべきだ」という否定的な考えは全くありません。
すでに習い事を始めているなら継続してOKです。
一方で、多くの保護者が「今のうちに何をさせておくべきか」と悩んでいるのも事実です。
子を持つ親として、私もその1人だよ。
そんな中で「手軽で学校生活でもプラスになる」ものを、元教員という視点からまとめます。
- すぐに習い事はハードルが高い
- 家でもできる知育が知りたい
- 習い事や知育に興味がある
英語、ピアノ、サッカー、水泳、プログラミング…など、新しい習い事もどんどん増えて悩みも消えません。
習い事えらびで失敗しないためにも、手軽にできる「積み木」からスタートするのがオススメです。
なぜ「積み木」なのか?
積み木には「完成された形がない」という特徴があります。
ゲームのように、ボタンを押せば操作できたり音が鳴ったりはしません。
ちなみに、あらかじめ使い方や遊び方が決まっていない玩具を「非構造的玩具」といいます。
遊び方が決まっていないので、子ども自ら遊び方や使い方を考える『能動性』が生まれます。
また積み上げて崩す、並べて倒すなど何度も繰り返し『チャレンジできる』のも特徴です。
さらに1つ重ねることができれば、さらにもう1つ重ねたくなるなど『活動意欲が向上しやすい』遊びです。
小学校でも積み木があるの?
単純に積み木で遊ぶような活動は、小学校の授業にはありません。
しかし関係性が深い場面や学習は数多くあります。
パッと思いつく内容をまとめてみたよ。
- 図形・空間把握能力 個数や形に注目した算数の図形問題で活かせます。
- 論理的思考力と問題解決能力 重さや重心など理科や図工の学習でも活かせます。
- 想像力と創造性 形づくる経験が算数や図工の学習で活かせます。
- 手先の器用さ 思い通りに指先や身体を操作する書写や体育で活かせます。
- 集中力とやり抜く力 何度も挑戦する主体性は学校生活の全場面で大切です。
具体的な場面や特徴をそれぞれ解説します。
図形・空間把握能力
「これを横に置いたらどうなるか」「後ろ側はどうなっているか」を実体験として理解します。
算数の図形問題や図工の立体工作、物理の理解に直結します。
パソコンや動画で視覚的に学習も可能ですが、実物を使って操作した学びの方が、明らかに理解度が高まります。
論理的思考・問題解決能力
高くなるにつれて不安定になる塔をどう支えるか。
「重心」や「バランス」という物理法則を、遊びの中で試行錯誤しながら学びます。
失敗と改善を重ねながら試行錯誤しようとする姿は、学校生活の全ての場面、全ての教科で必要な力です。
想像力と創造性
四角いパーツがバスになり、お城になり、時にはリンゴになります。
何もないところから形を作る経験は、ゼロからイチを生み出す創造性を養います。
与えられた課題だけではなく、自らイメージして創造することで、より深く質の高い学びへとステップアップします。
手先の器用さ
数ミリのズレが崩壊を招く積み木遊びは、指先の微細なコントロール力を鍛えます。
これは文字を書く、箸を使うといった日常動作の基礎になります。
その他にも楽器(リコーダー)、刃物(カッター)、運動(鉄棒)など、学校では指先の器用さが求められる場面が意外とあります。
集中力とやり抜く力
崩れても「もう一回!」と挑戦する精神力。
小学校以降の学習において、最も必要とされる「粘り強さ」がここで育ちます。
屁理屈のように聞こえるかもしれませんが、課題解決できた子どもは全員『解決するまで辞めなかった』子ども達です。
最後まで諦めない力が『できた!』『上手くいった!』に繋がるのは、間違いありません。
積み木は、多くの重要な力と関係しているんだね。
「積み木」の経験が不足すると?
保護者の中には「積み木なんて、ただ重ねて並べるだけでしょ?」と思ってる人がいるかも知れません。
でも実は「立体に触れる経験の不足」が、学校生活で弱点となる恐れがあります。
物理的な感覚(センス)の欠如
重さ、長さ、バランスといった物に対する感覚(センス)が育ちません。
特に実体験を通して得られる「体感的な物理センス」は、机上の学習では得られない重要な能力です。
これはスポーツや工作、理科の学習において、理解のスピードを遅らせる要因になります。
運営者の経験から
小学校高学年にもなれば、生活経験も増えてくるので学習課題への理解もできるようになります。
しかし低学年の場合、生活経験の有無が学習の理解度に直結する場合が多いです。
〈例えば〉
【どちらが長いでしょう】
この時、実際に物を重ねたり並べたりする経験があると「比べる手段」が自然と生まれます。
学習において『解き方が分かる』というのは、大きなアドバンテージになります。
上手くいかないという経験が、本人の苦手意識にまでなってしまうと取り返すのは至難の業です。
見えない「裏側」が想像できない
算数の立方体の数を数える問題や、展開図の問題でつまずきやすくなります。
物を操作する実体験が少ない子は、紙に書かれた図を頭の中で動かしたり回転させたりするのが苦手です。
最終的には丸暗記に頼らざるを得なくなりますが、それにも限界があり対応できなくなります。
運営者の経験から
空間を読み取る問題は、特に『経験』の有無によって差がありました。
学校でも積み木を操作する時間があればいいが、そんな時間の余裕は無いので幼児期の経験が重要になります。
積み上がったブロックとしてでは無く、自ら積み上げることでより理解が深まることは容易に想像できます。
学校では学習の要素が色濃くなりますが、幼児期は遊びの1つとして積み木を楽しむ時間を多く確保できるといいです。
試行錯誤を避ける、嫌う
積み木など遊び方が決まってない玩具(非構造玩具)は、遊び方や使い方を「どうしたらいいか」試行錯誤します。
しかし、正解が決まっているゲームや動画に慣れすぎると、自分で考えるプロセス自体を嫌うようになります。
幼い頃に試行錯誤する経験が乏しければ、問題を解決しようという気持ちさえも生まれにくくなります。
失敗と改善とを繰り返す経験が少なくなれば、その分だけ子どもの成長の機会も減ってしまいます。
運営者の経験から
小学校という場所は「失敗も認められる」から意味があります。
その中で特に力を発揮できるのは試行錯誤できる児童です。
与えられた課題だけではなく『トライ・アンド・エラー』を実行できる児童が、より力を発揮できるようになります。
積み木で試行錯誤する経験が、後の学校生活を充実させる基礎となります。
先生として感じるポイント
先生として感じることは『できる・できない』の違いよりも『得意・苦手』の違いの方が影響が大きいという現実です。
意外と「できない」が「できる」に変わるのは、小さなきっかけだったりします。
ですが「苦手」を「得意」に変えるのは、相当の時間と手間が必要で、場合によっては変わらない場合もあります。
苦手な学習は、大人になっても苦手なまま
もちろん『できる』が多ければ学校生活は楽しいし、『できない』が多ければ苦しくなります。
大事なのは、なるべく「苦手」を増やさないことです。
幼児期の積み木遊びの経験が、結果的に小学校の準備となり、安心したスタートに繋がります。
さらに自分自身で『これは得意』がある児童は、他の教科でも頑張ろうとする姿が増え、結果的に全体の能力も上がります。
算数なら「立体が解ける」になり、図工なら「工作が得意」になり、理科なら「予想するのが好き」になります。
算数、理科、図工、家庭科、体育、生活など、多くの場面と関係が深い積み木遊びは、小学校に向けた準備として欠かせない幼児遊びの1つです。
親として感じるポイント
親からの視点として、積み木遊びのポイントはあるの?
我が家で実践して、子ども達の反応が良かった関わり方を3つ紹介します。
親も一緒に楽しむ
親も一緒に積み木で遊びます。
高く積む、横に広げる、並べる、色で分ける、柄をあわせる、崩す…子供と一緒に積み木で遊びましょう。
ポイントは『大きいリアクション』と『対話』です。
子どもの作品に「すごーい!すてきー!さいこう!こんなこともできるの?」と大きなリアクションで返しました。
もちろん自分の作品も「見て見てー!すてきになったよ!こんなのどう?」とアピールするのも忘れません。
そして活動の中で対話を意識しました。
「コレとコレって形が似ているね」「乗せられるかな?」など、対話することで新しい発見があります。
実際に遊んでみると、大人でも楽しめるのが積み木の凄いところだよ。
せっかく一緒に遊ぶので、楽しさに加えてルールも意識させるのがオススメです。
乱暴に扱う、投げる、相手の作品を崩す等は、しっかりと注意することも大切な学びです。
片付けは後回し
完成した作品は、しばらくそのままにしましょう。
我が家では1日くらいそのままにしておき、次の日に続きを制作することもありました。
作品として残っていると『次はこうしよう』と、活動意欲にも繋がっているようでした。
きっと「すごくいい作品だから、明日まで取っておこうよ」と言われた子供は嬉しくてたまらないはず。
後片付けの習慣も大切ですが、時には作品として展示するという選択も面白いですよ。
我が家は「片付ける前に写真を撮る」ことで区切りをつけていました。
「作る」では無く「積む」
大人だと何かを『作る』という思考になりがちです。
子どもの中には、特に何かを作るでは無く『積む』こと自体を楽しんでいるときがあります。
そのため「何を作っているの?」という質問はNGです。
子どもが「何かを作らなければならない」と認識してしまうからです。
活動中なら「高く積めたね、いいバランスだね」と状況を説明するような声掛けを意識します。
完成後は「好きなところは?、難しかったところは?」など、作った子ども自身に対する声掛けがポイントです。
我が家で多かったのは、ただ崩すために積んでいるというパターンだよ。
まとめ
本記事では、小学校の入学前にやっておくべき遊びとして『積み木』をテーマに解説しました。
- 図形・空間把握能力 個数や形に注目した算数の図形問題で活かせます。
- 論理的思考力と問題解決能力 重さや重心など理科や図工の学習でも活かせます。
- 想像力と創造性 形づくる経験が算数や図工の学習で活かせます。
- 手先の器用さ 思い通りに指先や身体を操作する書写や体育で活かせます。
- 集中力とやり抜く力 何度も挑戦する主体性は学校生活の全場面で大切です。
幼児期の積み木遊びの経験が、小学校生活の様々な場面で生かされます。
逆に積み木の経験が不足すると『空間認知が苦手になる』や『試行錯誤を避ける』といった、不安要素となって表出する恐れがあります。
先生としての見方
スムーズな学校生活のために『苦手を減らす』がポイント。
積み木の経験があるだけで、多くの教科でアドバンテージになるので幼児期にやっておくべき遊びの1つ。
親としての見方
子どもと一緒に『対話』しながら活動するのがポイント。
作品の善し悪しではなく、活動自体を認めて声掛けすることで活動の幅も広がる。
積み木遊びには、派手な演出も即効性のある正解もありません。
しかし、自分の手で試行錯誤し、重力と戦いながら形を作る経験は、子どもの可能性を広げる鍵になります。
家庭でもすぐに実践できる『積み木』で、将来に向けた学びの基礎を一緒に育ててみてはいかがですか?